◆実験対象◆ 被験者:高校3年生の運動部員8名(男子4名・女子4名) ◆実験日時◆ 平成16年10月 ◆実験内容◆ 以下のとおり実験を行う。
2)主運動 ・PMVUを利用し、40秒全力ペダリングを行う。 ・負荷は“体重×0.075”kpとした。 3)5分間安静は、脚部で作られた乳酸が血液中に溶け込み、全身に乳酸が行き渡る時間を想定している。 5)10分間安静【安静群】 ・第2回目採取後、再びベッドで仰向け寝かせ、安静にさせる。 10分間運動【運動群】 ・トレッドミルを利用し、分速120m/min(7.2km/h)のスピードで8分間ランニングさせ、 続けて分速100m/min(6.0km/h)のスピードで2分間歩かせた。<平成16年度から> |
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| ◆実験結果と考察◆ 今年度初めてのクーリングダウンの必要性についての実験です。 今年度は運動群の10分間の運動内容を変更させました。 さて、考察ですが、今回は意外な結果がたくさん出た実験であったといえます。 まず、特筆すべきは安静群のA君。 彼は、40秒スプリントを実施したあと、何もせず、ただベッドに寝ていただけなのに顕著な乳酸濃度の低下をみせました。 授業中にも森脇先生からコメントがありましたが、持久力的な能力に長けているのか、一生懸命バイクをこがなかったかのどちらかであると、笑いを交えながらコメントされていました。昨年も驚異的な低下を見せた選手がいましたが、運動選手にとっては歓迎したい能力です。これだと、どれだけ練習してもよさそうですね。練習頑張ってください。 次に、特筆すべき2人目は、安静群のDさんです。 彼女の場合、A君、B君、Cさんと違って、運動から5分後よりも15分後の方が血中乳酸濃度が高い値を示しました。 一般的には、体内で作られた乳酸は約5分で全身に行き渡るといわれています。(よって運動後5分で乳酸を測定しています) しかしながら彼女の場合、これは当てはまらず、まだ上昇していたと考えられます。仮に、15分後が低下している途中であるとするならば、血中乳酸濃度のピーク値はもっと高かったといえるでしょう。15.0mmolを超える値は、なかなかの運動能力です。 さて、最後は運動群のF君です。 彼は私の指導する陸上競技部の選手です。運動能力も高く、期待していた選手でしたが、私の指導力不足もあり、思うような結果を残せず引退しました。その彼の結果には興味があり、私なりに考察したことを書きたいと思います。 まず、40秒ペダリングの結果ですが、これは驚くべき値だといえます。というのも、十数年前のデータになりますが、当時の全国インターハイの100mチャンピオンであるI選手の値とほとんど変わらないのです。唯一劣っているのは、ペダリングのピーク回転数のみで、平均パワー、体重1kgあたりのパワーにおいては、比較選手よりも優れています。よって、脚部の筋力においては、なんら問題なく3年間で成長していたといえるでしょう。 しかし、これは授業中にも私がコメントしたことなのですが、彼の脚部の筋肉は非常に発達しています。その脚部の筋肉は、乳酸をためる能力に長けてはいるのですが、乳酸を除去する能力が劣っていた、と今回の結果から考えられました。 そういえば、400mを専門とする彼は後半どうしても失速してしまいます。耐乳酸性の練習が少なかったのかもしれないと、今回の結果から反省させられました。乳酸をためても速く走ることのできる能力、あるいは乳酸をためても早く除去する能力、これが彼の欠点だったのもしれません。冬場、ケガで思うように練習できなかったのが今になって悔やまれます。 最近、彼は次のようなことを口にします。「引退して無駄な筋肉が落ち、走りやすくなった」と。 ここ数ヶ月、私が考えていたこととマッチしました。 速く走るためには筋肉・筋力をつければいいというものではなく、付いている筋肉をどうやってうまく使うか。これが大事なのだと。 練習で太くなりすぎた彼の脚が、逆に彼の能力を押しつぶしていたのかもしれません。 彼はこれからも陸上競技を続けてくれると思います。これからの彼の活躍に期待したいと思っています。 |
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![]() 図-1 安静群の血中乳酸濃度の変化 図-2 運動群の血中乳酸濃度の変化 |
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■□■ 安 静 群 ■□■
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■□■ 運 動 群 ■□■
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| 注意:本校の実験は、(財)スポーツ医・科学研究所からのアドバイスや、関係出版物を参考に行っております。 . しかし、哲ちゃん・幸ちゃんが行っている実験ですので、方法等に問題があるかも知れませんのでご了承ください。 なお、本実験で得たデータは生データです。無断転写等はご遠慮下さい。お問い合わせは、掲示板でお願いします。 Copyright (C) Koji Yamamoto 2003-2004 All Rights Reserved. |
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