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長野 安莉紗(平成18年度・卒業論文優秀賞/ソフトテニス部) |
<序論>
私は中学生の頃に、サービスラインに赤色の石灰を引き、サービスを打つとサーブ率が良くなるということを顧問の先生から教わった。
しかし、その頃私は、軟式テニスを始めて一年しか経っておらず、また、自分のフォームを変えていたため、サーブ率は技術的なことが原因で不安定だった。そのため、ラインの色を変えたためにサーブ率に変化があったのかが分からなかった。
そこで私は、本当にサーブ率に変化が見られるのか、色が私たちにどのような影響を及ぼすのか、スポーツに色は関係してくるのかを調べることにした。
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<本論>
§T.色
色は『暖色(暖かく感じる色)、赤・黄・橙…』、『寒色(冷たく感じる色)青・水色・白…』に分かれている。
暖色は膨張色であり、進出色(物体が近くにあるように感じる色)でもある。それとは逆に、寒色は収縮色で、後退色(物体が遠くにあるように感じる色)である。
しかし、寒色に分類されている白色は膨張色で知られている。収縮色なのに膨張色とは矛盾している。
これを解決したのは色の明るさ、明度であった。明度の高い色(白・黄・赤…)は膨張色で、明度の低い色(黒・紫・茶…)は収縮色である。そして暖色、寒色よりも明度が高い方が膨張して見えるという事だった。
【実験T】
まずは、普通のテニスコート(白色のライン)で被験者5人にファーストサービスを10本ずつ打ってもらい確率を計る。その後サービスライン、サービスセンターライン、サービスサイドラインに赤色の石灰を引き、確率を計る。
結果、サーブ率は62%→76%に上がった。
《被験者の感想》ラインがいつもよりはっきり見え、コースを狙えた。4人が、サービスコートがいつもより大きく見えた。と述べた。
しかし、1回目にサービスを打ったときは緊張していたためにサーブ率が低く、2回目は1回目より緊張が解けたからサーブ率が上がったのではないか?という考えを持っている人もいるのではないだろうか。
そこで2回目の方が下がるであろうと思われる順番でバスケットの実験をすることにした。
【実験U】
まずは普通のバスケットリング(橙色)で被験者7人にフリースローを10本ずつ打ってもらい確率を計る。その後バスケットリングに青色のビニールテープを貼り、確率を計る。
結果、シュート率は71%→69%に下がった。
シュート率にそれほど差が見られなかった。しかし、青色のリングではボールがリングに当たりながら入ることが多かった。ある被験者は入ったシュートの全てが青いリングに当たりながら入った。つまり、とても不安定なシュートであったと言える。
《被験者の感想》2人が青色のリングが小さく見え、4人は変わらない、1人は大きく見えたと述べた。そして、青色のリングだと距離感がつかめない、という感想が多くあった。そして、青色でリラックスでき、シュート率が上がったという被験者もいた。
【実験T・Uの考察】
テニスのサーブ率は赤色を使うことで、サービスコートが大きく見え、サーブ率が上がった、と言える。白色は明度の高い膨張色であるが、ラインテープに土の色がつき、くすんでいたために、明度は赤色のほうが高くなっていた(白の明度<赤の明度)。そのため、ラインが白色の時より赤色の時の方が、コートが大きく見えたのだと考えられる。
バスケットのシュート率は青色を使うことで、リングが小さく見え、距離感も分からなくなるために、シュート率は下がるはずだったが、不安定なシュートは増えたものの、シュート率は大して変わらなかった。なぜリングが小さく見えたり距離感がつかめなかったりしたのにシュート率が大して変わらなかったのか、疑問に思った。被験者は、初めの2・3本ははずす率が高かったが、リングが変わっても感覚はいつもと同じという事に気付いた、と述べた。つまり青色のリングで距離感を測りシュートを打っているとシュート率は下がったが、いつもの橙色のリングでシュートを打っているような感覚でシュートを打ったところ、シュートが入るようになったという。距離感を目で測らず、感覚で測ったのだ。
そして、バスケットの被験者の中に青色でリラックスできたと述べた人が何人かいた。そこで、リラックスできる色について調べてみた。
§U.リラックスできる色
青色には鎮静作用があり、精神集中を促す。バスケットの実験でもこれらの効果が加わったと思う。しかし青色は筋肉の弛緩、血圧、体温の低下を促すとされているので、適度な緊張さえもなくなり、リラックスしすぎてしまう可能性もある。つまり、青色は寝室に良い色であり、運動中にはあまり向かない色だと言える。
| リラックスできると思われる色のアンケート |
| 順位 |
1位 |
2位 |
3位 |
4位 |
5位 |
6位 |
その他 |
| リラックス |
緑
26人 |
水色
25人 |
青
18人 |
白
14人 |
橙
5人 |
ピンク
4人 |
11人 |
| 好きな色 |
青
21人 |
橙
15人 |
黒
12人 |
赤
緑
10人 |
紫
7人 |
水色
ピンク
4人 |
18人 |
アンケート結果から、好きな色がリラックスできる色というわけではないことがわかる。
また、リラックスできる色として青系はよく知られている。あまり知られていないが、低彩度の暖色、橙色や黄色も青色ほど強くはないがリラックスできる効果がある。リラックス効果は青色ほど強くないため、適度な緊張感もあり、運動中に適している色と言える。
§V.色から感じる〜重量感、普段使う用具の見直し〜
色によっては、実際の重さより重く感じてしまうものがある。白色は実際の重さ通りだが、黄・黄緑・緑…黒と明度が低くなるにつれて実際より重く感じてしまい、黒色では実際の重さの1,87倍も重く感じてしまう場合もある。それならば、普段使うラッケトやバット、靴の重さも記載されているより、重く感じているかもしれない。つまり、用具は色も考えて選ばなくてはならない。色を上手く使っている例として、バレー(陸上の高飛びなど)の靴や靴下が上げられる。もしこれらが黒色なら、脚が重く感じてしまう。そしてこれから改善したほうが良いのではないかと思うものは、トレーニング時のダンベルである。黒のものが多いが、もっと明度の高いものにすればよいのではないかと思う。
〜ウェアーの色と見た目〜
色から感じる重量感を活かし、ウェアーを考える。四角形を例に考えると、上半分が白、下半分が黒だと、軽く感じる白が上なら安定感があるように感じる。しかしこれが反対なら、グラグラしそうなど、不安定に感じる。動きを大きく見せたいなら上に黒のウェアーを持っていき、安定した動きを印象付けたいなら、白を持ってこればよい。
§W.色でパフォーマンス向上!
例えば、その日の気分に合わせてウェアーやタオルなどを選び、自分自身の気分を高めることも良いパフォーマンスをする上ではとても大切なことだ。
また、自分以外の人、チーム内や相手チームの気持ちにも色は作用することを考えてウェアーなどを着ればより良いパフォーマンスにつながる。赤色のウェアーは、気持ちを興奮させたり活発にさせたりする。黄色は快活な気持ちに。落ち着きたいときは茶色や灰色を用いれば良い。
その他、キャッチャーミットや陸上のトラックは青色にすることで、注視性が高まり視線がぶれず、ストライクに入れやすくなったり記録が伸びたりする。そしてハードルは白黒が一般的だが、赤色にすると0.3秒、青色にすると0.5秒、黄色では0.6秒速くなったという実験結果もあった(なぜ速くなるかはまだわかっていない)。サッカーやラグビーでは青色か黄色のウェアーにすることで周辺視に入りやすくなり、パフォーマンスの向上につながる。
〜色を使ったイメージトレーニング〜
目を閉じ、リラックスをする→何も描かれていない白いスクリーンをイメージ
→スクリーン上に鮮やかで濃い青色の円を思い描く
→徐々に青色の円を薄くし、緑色の円にする
→明るい黄色の円にし→落ち着きのある薄黄色に
→濃い橙色
→暗い橙色
→鮮やかな赤
→赤色の円の中に青色の小さな点をばらまき、それを赤の中ににじます
→紫色の円に変化させ
→紫色を徐々に暗くし、黒色に
→黒色の円の端を取り除き、正方形にし
→それを灰色に
→徐々に明るくし、白になり、初めのスクリーンの状態に戻す。
これをすることによって、普段のイメージトレーニングがより明瞭になり、やがてはパフォーマンスの向上につながる。
§W.無意識に感じている色
色光を人の体に当てると筋肉が緊張、弛緩と変化を示すことが実証されている。トーナス変化と言うもので、普通の状態の筋肉の数値を23とすると、青24、緑28、黄30、橙35、赤42。というように、無意識のうちに色光は視力のあるなしに関わらず肉体に働きかけた。これから考えられることとして、色は心理学的なこと以外でも私たちの体に働きかけているということが言える。
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<結論>
実験や色について調べていく上で赤色のラインでサーブ率が上がるということが言えたと思う。普段よりコートが大きく見えることで、心にゆとりができ、そのような状態で練習できれば、普段より自分の技術を伸ばすことができると思う。また、その他の実験や調べからでも、色には私たちの感情をコントロールする力があること、私たちの体に無意識のうちに働きかけていることがわかり、スポーツに色は関係してくると言う結論に至った。色で、記録やパフォーマンスの向上ができるということは素晴らしいことだと思う。
そして、色について調べていると、柔道の胴着は観戦しやすいように、青色の胴着が取り入れられたということを知った。しかし、柔道は武道である。白く曇りのない綺麗な心を表している白色の胴着を、観やすいからという理由だけで色付けしてしまったということは悲しいことだと思いました。
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○参考文献・ホームページ○
図解雑学よくわかる色彩心理 山脇恵子著
テニスのメンタルトレーニング ロバート・S・ワインバーグ著
http://www.chs.nihon-u.ac.jp/pe_dpt/mizuochi/sposin-e/kojin/color/toppage.html
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注意:本ページで公開している論文は、本校の卒業生(当時3年生)が作成した卒業論文です。
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